積水極むべからず

漢文、ときどき読書

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

光武帝への思慕

李世民は歴代皇帝の中でも特に歴史を愛好し研究した人。前代の君主、リーダーに対していろいろ批評を加えています。その中で数少ないプラス評価(と思われる)人が後漢の光武帝です。 「赤心を推して人の腹中に置く」というのは、光武帝が直前まで敵であった…

玄甲軍

李世民は即位する前、優れた将軍、唐朝の遠征司令官として大活躍します。強力な騎馬親衛隊を絶妙なタイミングで投入(というか自ら率いて突撃)する戦法を得意として勝ちを収めていました。『資治通鑑』によるとその勝利の決定打となる親衛隊は「玄甲軍」(…

李靖と魏徴への敬意

『隋唐嘉話』*1という唐代の歴史家がまとめた書物に李靖と魏徴と李世民の関係に関する面白い逸話が載っています。 世民は李靖とくつろいだ様子で(私的に)会う時には、常に李靖を「兄」と呼んで臣下として扱わなかった。帝位に即いてからは、魏徴と語り合う…

詔書の偽造と社会不安

太原に挙兵するに当たり、李淵は社会不安を煽るために煬帝名義のひどい内容の詔書を偽造して社会不安を煽りました。 「周辺の二十歳~五十歳までの全男子を徴兵し、高句麗討伐に動員するというもの。この詔書を受けた周辺住民は当然、隋に対する怒りをかき立…