積水極むべからず

漢文、ときどき読書

2016-01-01から1年間の記事一覧

拓跋氏と老子はどちらが貴いか?(李氏の出自)

唐代の皇族、李氏は漢族の貴族「隴西の李氏」に連なる家系であると自称している。 ただ、唐代当時からこの自称はあまり信じられておらず、唐初にこうした正式見解を使い始めたころから実際の所「経歴詐称」であることは公然の秘密だったようだ。 ついには当…

房・杜を見いだした人

李世民の覇業とその後の政権維持を支えた房玄齢と杜如晦。「房・杜」と併称され、名宰相の代名詞とされる二人だが、李世民と出会う前、隋朝時代に同じ人物にその能力を高く評価されている。 それが当時、吏部侍郎の職にあった高孝基(生まれは北海の人)とい…

高熲の息子

第一次遣唐使の返使として唐から日本にやってきた高表仁という人がいる。 実はこの人、隋文帝の数々の改革を支えた名臣中の名臣、高熲の息子ということが判明。 概説書などでもさらっと触れられることがある高表仁だけど、まさかこんな豪華経歴の持ち主とは…