積水極むべからず

漢文、ときどき読書

7月まとめ

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1273ページ
ナイス数:70ナイス

唐代の国際関係 (世界史リブレット)唐代の国際関係 (世界史リブレット)感想
「つまり唐の統一とは、中国の統一というよりはむしろモンゴリア南部と華北で形成される地帯の統一なのであり、その力が長江流域にもおよんだとみるべき」。この視点のかっこよさ!今ある国の形、もしくは三国志などで知られる中国のイメージを根本から覆し「大陸の歴史」を描く。東アジアにおける唐のの影響の大きさを感じられる本。大化改新を引くまでもなく、唐の勃興は当時の東アジアの国々に否応なく変化を突きつけ、それが今の東アジア諸国の原型を形作る。その後、唐という母体を切り裂きローカライズされた諸国家(体制)が生まれる。
読了日:7月26日 著者:石見清裕
ペナンブラ氏の24時間書店ペナンブラ氏の24時間書店感想
グーグル×世界に1冊だけの本×暗号という心躍る展開。そして、なんという新城カズマ本。もう本当、新城先生が好きな人、みんな読むといいと思うよ!ただ、新城先生の作品よりは切なさや自意識がマイナス目な感じかな~?主人公が女の子と話してる時、中学時代のTRPG一緒にやってた親友がやってきて、TRPGの役名でわざと主人公に呼びかけて(すごく中二病な恥ずかしい名前)「ちょ、ふざけんな!」って慌てるシーンとか最高だった。ちょっとご都合主義過ぎる気もするけど、そんなこと気にならないくらい好きになった。
読了日:7月17日 著者:ロビン・スローン
猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)感想
秋山瑞人の、読んでると脳内に映像がカメラワーク付きで再現されるというような文章力は本当にすさまじいとしかいいようがない。あの名言のシーンは遥か広がる青と、その先の唐突な暗転までが一瞬のうちに浮かんできた。最後の解釈は読者に委ねられたけれど、そのラストに至るまでの彼らの邂逅、思いの変化、それでもなお変わらない「夢」をじっと見守ることができて幸せだったと思う。某掲示板にあった「風たちぬ」という評は納得。宮崎作品と異なり、登場人物を猫とロボットにしたからこそ、ストレートに伝わってくるものがたくさんあった。
読了日:7月8日 著者:秋山瑞人
猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)感想
にゃんこがいっぱい。かわいい。秋山瑞人の完結する作品を読むのはこれが初めてなのか。龍盤七朔とかは「続く!」という感じなので。どんな締め方をする作家なのか興味津々。けど、この物語を登場人物みんな猫にして書こうと思いついた発想が本当にすごい。しかも、犬ホームズみたいに犬=人間じゃなくてちゃんと猫が作った社会っぽい描写がいろんなところにある。ハイファンタジーというか、宮沢賢治ちっくというか。素晴らしい。
読了日:7月6日 著者:秋山瑞人
李世民(上)玄武篇李世民(上)玄武篇感想
昔、塚本先生の「霍去病」「光武帝」を二連続盛大に挫折した経験があるので大丈夫かな~と読み始めたんですが、初の完読。世民が矢を自作するオープニングが映えてました。李家三兄弟が最初から最後まで仲が悪くてこれはこれでいいかも。世民は「ひねた子」と呼ばれ、クールキャラの系譜。竇建徳にほのぼのしました。
読了日:7月5日 著者:塚本青史

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